エルカラクトンはヘアケア製品の原料です。
と聞くと、ケミカルな成分であったり薬品か何かであったりをイメージするのではないでしょうか。
シリコン=悪というイメージが浸透している現代においては、エルカラクトンと聞いてもピンと来ないし、シリコンと同じ横文字なので少し警戒してしまう気持ちもわかります。
でも、大丈夫です、エルカラクトンは植物由来成分です。
ですが、それはそれで、アレルギーの心配や効果がマイルド過ぎるのではとの懸念が生まれることもあります。
それについても問題ありません。
エルカラクトンは植物由来成分で髪や頭皮に負担をかけにくく、それでいて、髪を補修してくれる成分です。
エルカラクトンはエルカのラクトンです。
この説明でも間違ってはいないのですがまったくもって伝わりにくいので、もう少し詳しい説明をさせてください。
日本だと菜種油で知られるナタネにはエルカ酸という成分が含まれています。
そのエルカ酸のラクトン、すなわち、誘導体。
それがエルカラクトンです。
「SBCP 生ミネラルマスク+」に配合されている成分・メドゥフォーム‐δ‐ラクトン。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンのラクトンもエルカラクトンのラクトンも同じ意味ということでもあります。
誘導体とは、簡単に言うと、ベースはあまりいじらずに部分的に変えた物のことです。
代表例は、ビタミンC誘導体。
化粧品の成分として名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
ビタミンCは古くから美白効果を持つ成分として重宝されている一方で、熱に弱いという弱点を持っています。
単純に熱に弱いのみならず、何かに弱いとはそれすなわち物質として不安定ということです。
それ(弱点)さえなかったら完璧なのに!と思うほど優秀な成分に手を加えて安定させることができたら、便利ですよね。
誘導体はまさにそういう物で、もともと優秀なのであまりベースを変えず、けれど弱点はないほうがいいからと改良しています。
つまり、エルカラクトンとは、エルカだけでは弱点を持っているので手を加えて誘導体にした物です。
エルカラクトンはエルカ(エルカ酸)のラクトン(誘導体)。
じゃあそのエルカラクトンが何なのという話です。
冒頭で、「ヘアケア製品の原料」と言いましたよね?
エルカラクトンは、ヘアオイル・コンディショナー(リンス)・スタイリングミルク・スタイリングクリーム・ヘアトリートメント等に配合されます。
では、何のために配合するのか?
スタイリングミルクやスタイリングクリームはスタイリング剤ですね。
ヘアオイルはスタイリングに使ったりアウトバストリートメントとして使ったり、色々です。
トリートメントはダメージヘアをケアする物。
コンディショナーはというと、ケアアイテムかと思いきや、シャンプーで失われたうるおいを足す程度の役割なのでケアとはまた違います。
配合製品の傾向がバラバラです。
結論を言うと、エルカラクトンはキューティクルを補修する補修成分です。
スタイリング剤、ヘアオイル、トリートメント、コンディショナーと多岐に渡っていますが、キューティクルを補修する効果はどれに入っていても嬉しいと言えます。
キューティクルを補修する成分はトリートメントやヘアマスクに入っていることが多く、トリートメントやヘアマスクは洗い流すアイテム。
でも、エルカラクトンはスタイリング剤にも配合されているとのこと。
それはなぜか?
なぜなら、エルカラクトンは開いたキューティクルを閉じるから。
この「開いたキューティクルを閉じる」という効果は洗い流す流さないに関わらず発揮されていい効果だと言えます。
何しろ、キューティクルが開くと、ろくなことがありません。
キューティクルが開くと、髪の内部の水分や栄養などが流出してしまいます。
キューティクルが開いてもすぐ閉じてくれればまだいいのですがしかし、開いてめくれ上がったままになってしまうことも。
そうなると、髪がうねる、パサつく、ハリやコシやツヤがなくなる、からまる、まとまらないとまあ、本当にろくなことがないのです。
あげくのはてに、キューティクルは開きっぱなしになってしまうと、はがれ落ちやすくなります。
はがれ落ちたキューティクルは再生しません。
再生しませんから、うねりやパサつきなどが何をしても改善しなくなります。
そうなったらもう、切り落としてリセットするほかありません。
でも、はがれ落ちる前に開いているキューティクルを閉じることができたら、手遅れではなくなります。
ペリセアもそうでしたがエルカラクトンも“手遅れにならなくする”補修成分というわけです。
エルカラクトンは開いたキューティクルを閉じてくれます。
どんなヘアケアアイテムであろうとも嬉しい効果です。
ですが、洗い流すアイテムにエルカラクトンを配合しても洗い流す際に流されてしまうのでは……?
洗い流されてしまったら、どんなに良い成分でも無意味。
しかしながら、エルカラクトンは洗い流されずに毛髪にとどまるとされています。
とはいえ、100パーセント残るのかというと、それについては詳細なデータがありません。
が、エルカラクトンには熱に反応するという性質があります。
熱に反応し、毛髪と結びつきます。
結びつくのですから、毛髪にしっかりととどまります。
仮に洗い流すことで100パーセントの量は残らないとしても、熱を利用して毛髪と結びつけたならしっかり残る。
残るので、継続使用すればするほど、キューティクルは閉じていく。
キューティクルがめくれ上がらなくなれば、めくれ上がることで生じていたうねりやパサつきといったトラブルが改善していきます。
SBCPではエルカラクトンをヘアマスクに配合。
ヘアマスクは洗い流すアイテムですから当然洗い流すことになるわけですけれども、熱を利用するエルカラクトンであれば洗い流してもドライヤーやヘアアイロンを使うことで髪の毛にしっかりととどまることとなり、洗い流すから無意味とはなりません。
まとめると、エルカラクトンは、
・ナタネに含まれるエルカ酸のラクトン(誘導体)なので植物由来成分
・色々なヘアケアアイテムに配合されているがその効果は「キューティクルを閉じること」
・キューティクルが開くことで生じるうねり等のトラブルを予防改善する
・キューティクルが開きっぱなしになってはがれ落ちることを未然に防ぐ
・熱に反応して髪の毛と結びつくのでしっかりととどまる
このような補修成分です。
SBCPでは「SBCP 生ミネラルマスク+」に配合しているのですが、ヘアマスクに配合したことでエルカラクトンがその真価を発揮しやすくなっているのではと自負しています。
熱に反応するということは、言い換えれば、熱がなければ反応しないので髪の毛と結びつきません。
洗い流すアイテムであるヘアマスクであれば髪が必ず濡れますから、乾かすためにドライヤーを使うことになります。
ドライヤーやヘアアイロンを利用しなくて済むようなアイテムに配合するよりも、理にかなっているのではないでしょうか。