キューティクルの修復について。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンという植物由来成分についてお話しした際に、「キューティクルはバリアのようでいて、バリアほど堅牢ではない」と申し上げました。
バリアにしては繊細過ぎるのです。
ですが、キューティクルを修復できれば、繊細でも何でも何とかなるはず。
ところが、キューティクルは修復できる説とできない説とがあります。
実際のところはどうなのか。
修復できないなら、その理由を。
修復できるなら、どうやって修復すればいいのかを。
キューティクルの修復にまつわる解説をします。
キューティクルは修復できない説が存在するのは、髪の毛が爪と同じだからです。
髪や爪は死滅細胞と言って、すでに死んでいる細胞だと考えられています。
髪も爪も伸びるのに死んでいるなんてちょっと納得いかないですよね。
でも、髪を切っても爪を切っても痛くありません。
もっとも、これについては神経が通っていないから切っても痛くないと考えたほうがわかりやすいです。
髪も爪も皮膚の仲間ですが、皮膚と決定的に違う点は、自分で治る力が備わっていない点です。
すでに死んでいるから、自分では治らないし、治せない。
伸びるし生えてもくるけれど、損なわれると治らない。
つまり、髪が傷むと傷んだままで、放っておいて治ることはない、ということです。
髪が傷んでいる状態は、ほぼほぼキューティクルが損傷を受けている状態です。
すなわち、損傷を受けているキューティクルが自然に回復することはなく、そういう意味では、キューティクルは確かに修復できません。
キューティクルは修復できない説と対極をなす、キューティクルは修復できる説。
その前に、キューティクルとはそもそもどんな物なのかを説明させてください。
髪の毛は3パートに分かれています。
髪の芯みたいなメデュラ、メデュラをぐるっと包んでいるコルテックス、コルテックスの周囲にあるのがキューティクルです。
キューティクルはウロコのような形状をしています。
1枚の包装紙みたいにコルテックスをくるんでいるのではなく、何枚ものウロコのごとく覆っています。
そして、キューティクルは、傘のように開きます。
濡れると開く性質を持っています。
更に、熱でも開きます。
この開くという性質が厄介!
開くとコルテックスがむき出しになります。
むき出しになったコルテックスからは、水分や栄養といった髪にとって大事な物が流出してしまいます。
キューティクルは弱いか強いかで言ったら弱いものの、それでも、キューティクルが閉じていれば髪の内部は守られているのです。
いったん開いたキューティクルは絶対に閉じないかといったらそんなことはなく、髪を乾かしたり冷風を当てたりすれば閉じます。
しかしながら、開いたところで閉じるから問題ないと思いきや、キューティクルは“はがれる”ことがあります。
閉じた状態よりも開いた状態のほうがはがれやすいです。
ですから、髪が濡れている時間が長かったり、濡れている髪にヘアアイロンを当てたり、濡れていない髪でも毎日毎日長時間ヘアアイロンを使ったりと髪に負担を強いていると、はがれ落ちてしまいます。
ここで思い出していただきたいのが、「損傷したキューティクルは自然に回復しない」こと。
キューティクルは開いても閉じます。
閉じますがしかし、はがれてしまうと新しいキューティクルが生えてくるわけではなく、修復もできません。
キューティクルを修復できるというのは間違いで、やっぱり修復できない説が正しいのでしょうか?
いいえ、要は、はがれ落ちないようすればいいのです。
濡れると開き、熱を受けても開くキューティクル。
ですが、幸い、開いたら開きっぱなしというわけではありません。
【濡れると開く→乾かせばいい】
シャンプーする際に髪の毛はどうしても濡れます。
濡れた状態で放っておくことはキューティクルにとって百害あって一利なし!
とはいえ、ドライヤーという文明の利器があります。
ドライヤーで乾かせば問題なし……と言いたいところですが、長時間ドライヤーの熱風を当てるとその熱でまたキューティクルが開いてしまうので注意が必要です。
ドライヤー前にしっかりとタオルドライすることでドライヤーにかかる時間を短くすることができます。
【ドライヤーの熱で開く→冷風で仕上げればいい】
濡れると開くキューティクルをドライヤーで乾かせば閉じることができる一方で、ドライヤーの熱風はキューティクルを開かせる原因ともなり、諸刃の剣です。
が、ドライヤーには冷風モードがあります。
ある程度水分を飛ばしたら冷風モードに切り替えることでキューティクルがまた開きそうになっていても閉じさせることができます。
【ヘアアイロンの熱で開く→熱から保護するケアアイテムを使えばいい】
熱と言えばドライヤーだけでなくヘアアイロンも高温になります。
ヘアアイロンは濡れた髪で使わないようにしてください。
それと、熱から保護するケアアイテム、例えばアウトバストリートメントを使うとキューティクルを守れます。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンもそうですが、熱を利用して髪を強くする成分が配合されているヘアケアアイテムも有効です。
このように、キューティクルが開く性質を持っているとしても、対処法はあります。
そして、地道に対処していくことで、キューティクルが開いている時間が長くなってはがれ落ちることを予防できます。
けれど、予防はあくまでも予防。
開いたキューティクルを閉じることはキューティクルがはがれ落ちないための予防であって、キューティクルの修復とはちょっと異なります。
爪ははがれても生えてくることが多いのに対して、キューティクルははがれると生えてきません。
それすなわち、はがれ落ちたキューティクルの修復は不可能……。
では、なぜキューティクルは修復できる説が存在するのでしょうか?
そのほうが、キューティクルの修復効果をうたっているトリートメント等のヘアケア製品が売れるからでしょうか?
損傷を受けたキューティクルは自然回復しないし、はがれたキューティクルが新しく生えてくることもない。
でも、それでも、修復成分を与えることはできます。
手遅れになる前に、キューティクルがはがれ落ちる前に、修復してあげればいいのです。
キューティクルは自己回復しないだけで修復成分を与えられれば修復はします。
だからキューティクルは修復できる説が存在しているし、キューティクルの修復効果をうたっているヘアケアアイテムも存在しているのです。
キューティクルには修復できる説とできない説とがあります。
どちらが正しいのか?
実は……どちらも間違っていません。
人間には自然治癒する力が備わっていますが、そんな人間の体の一部であっても髪の毛のキューティクルは損傷すると自己回復しません。
怪我のように自然に治らないという意味で、キューティクルは修復できない、となります。
ウロコみたいな形状のキューティクルは“開く”という性質があり、開くとはがれ落ちる危険があります。
キューティクルはキューティクルの下で水分や栄養を抱えているコルテックスを守っているはずが、開くとコルテックスがむき出しに。
もちろん、はがれ落ちてもむき出しになります。
よって、開いたら閉じてあげる必要があります。
キューティクルは開いたら閉じないわけではないので、濡れたらドライヤーで乾かす、ドライヤーで乾かし過ぎないようにして冷風で仕上げる、熱から保護するアウトバストリートメント等を使うなどの対処法で閉じることは可能です。
開いたキューティクルを閉じることは修復することとイコールではありません。
ありませんが、キューティクルを地道に閉じてはがれ落ちないようにすれば、はがれ落ちさえしなければ、補修成分を与えて補修することは可能です。
自己回復しないだけで、補修成分を受け付けないわけではないのです。
「SBCP 生ミネラルマスク+」には、キューティクルの開きを抑える成分・ペリセアを配合しています。
ペリセアは浸透力が非常に高く、ヘアマスクでありながら放置時間がたった1分でいいという放置時間の短さを実現。 また、浸透力が高いゆえに髪の毛の内部からダメージを補修する効果も見込めます。
さらに、エルカラクトンなど他にも補修成分を配合していて、看板アイテムの「SBCP 生ミネラルミスト+」と並ぶほどの人気アイテムです。