髪はメドゥフォーム‐δ‐ラクトンという成分によって疎水性を持ちます。
そう言われても、よくわからなくて当然です。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンとはどういう成分なのか。
疎水性とはどういう意味なのか。
解説すると共に、髪にメドゥフォーム‐δ‐ラクトンという成分を与えるメリット・デメリットについてお話しします。
髪がメドゥフォーム‐δ‐ラクトンという成分によって疎水性を持つとはどういうことなのか?
その前に、「疎水性」について解説します。
水を疎外する性質と書いて、疎水性(そすいせい)。
疎外とは、近づけない、よそよそしさを意味する言葉です。
難しく言うと、水に対する親和性が低い。
簡単に言うと、水に近づけない。
要は、水と混ざりにくい性質ということです。
つまり、髪が疎水性を持つと、水に溶けにくくなったり、水と混ざりにくくなったりします。
水をはじくことを撥水(はっすい)と言いますが、疎水は撥水と似たようなものです。
撥水は、水を強力にはじくので、水が玉のようになります。
疎水は、水が1枚の膜になったみたいにまとまって流れていきます。
疎水は撥水と似ているけれどはじき方が違うというわけです。
では、髪が疎水性を持って水に溶けにくく混ざりにくくなったらどうなるのか?
前提として、髪は水に溶け切ってしまう物ではありません。
万が一にもそんな性質だったら、髪の毛を洗うことも雨に濡れることもできませんよね。
それなのに疎水性をどうして持たせるのかというと、なんと、髪はもともと疎水性を持っているのです。
とはいえ、髪を洗う際やプールに入る際に髪の毛がなかなか濡れなかったということはないはずです。
髪が健康な状態だとそうは見えなくとも実は疎水性を備えているのだと思ってください。
健康ではない髪は疎水性と真逆の親水性を持つようになります。
健康ではない髪はキューティクルがはがれ落ちていることが多いのですが、そこから水を吸い込んでしまうのです。
髪にとって水分は重要でも、水分があることと水気があることはまた別の話。
親水性を持った髪はなかなか乾かなくなり、油分をはじくほどになり、髪にとって必要な油分を失うことになります。
だからこその、疎水性です。
髪がもともと持っている疎水性を、キューティクルを失うなどして失ったとしても、メドゥフォーム‐δ‐ラクトンという成分を与えれば疎水性が復活する、と。
ただし、厳密には、与えるだけで疎水性を持つわけではありません。
なく、メドゥフォーム‐δ‐ラクトンに一定以上の熱(温度)を与える必要があります。
髪にメドゥフォーム‐δ‐ラクトン及び一定以上の熱を与えることで疎水性を持ちます。
それにより、本来疎水性を持っているはずの髪が真逆の性質・親水性を持ってしまっても疎水性を復活させられる。
というわけなのですが、では、他にメリットはあるのでしょうか。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンの大きなメリットとして、「キューティクルの代わりになる」点が挙げられます。
髪の最外殻であるキューティクルは髪の毛を守ってくれるバリアかと思いきや、さほど万能ではありません。
守ってくれてはいるものの、一定以上の温度や濡れるといった条件下で傘のように開きます。
キューティクルが開くと、髪の内部の重要な物、水分や栄養が流れ出てしまうことに。
それでも、髪が濡れても乾けば、温まっても冷やせば、キューティクルは閉じます。
が、それも、はがれ落ちなければの話です。
キューティクルが開いている時間が長くなると閉じなくなって開きっぱなしになり、開きっぱなしになるとぽろっとはがれ落ちます。
はがれ落ちたキューティクルは再生しません。
うろこ状であるキューティクルは1枚のヴェールではないので、はがれ落ちる=すべてのキューティクルが一気になくなる、ということにはなりません。
しかし、再生しないのですから、1枚でもはがれたらそこからずっと流出し続けます。
それに、はがれ落ちた枚数が多くなればなるほど水分や栄養が流出する量も多くなります。
キューティクルは再生しない、そして、はがれ落ちた箇所から水分や栄養が流出する。
流出を防ぐにはキューティクルがはがれ落ちた髪は切り落とすしかなくなります。
ところが、メドゥフォーム‐δ‐ラクトンはキューティクルの代わりになる!
だから、髪の内部の水分や栄養の流出を防いでくれますし、キューティクルがはがれ落ちるほど傷んでいる髪でもキューティクルがしっかりと存在しているかのごとく手触りが良くなります。
これが髪にメドゥフォーム‐δ‐ラクトンを与えるメリットです。
あとは、メドゥフォーム‐δ‐ラクトンは、一定以上の温度を与えると、髪の毛の成分と結合します。
髪の毛にくっつくということです。
結合するのでシャンプーの度にリセットされることがなく効果が長持ちするのも、大きなメリットだと言えるでしょう。
キューティクルの代わりになるメドゥフォーム‐δ‐ラクトンはメリットが大きいように思えますが、デメリットはないのでしょうか。
結論から言うと、デメリットらしいデメリットはありません。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンは薬品かのような名称ですが、なんとこの字面でも天然由来成分です。
ですから、薬品なんじゃないのケミカルな成分なんじゃないのという心配は無用です。
北アメリカに分布するリムナンテス科の植物の名前がメドゥフォーム。
そのメドゥフォームの種子から抽出した油ことメドゥフォーム種子油の誘導体がメドゥフォーム‐δ‐ラクトンになります。
ラクトン=誘導体という意味です。
美容ジャンルで知名度の高い誘導体として、ビタミンC誘導体があります。
美白や毛穴を引き締めるビタミンCは、けれど、不安定で壊れやすい物質です。
その壊れやすいという弱点をなくすために少々手を加えた物がビタミンC誘導体で、すなわち、誘導体とは少しだけ手を加えてより良くした物。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンもメドゥフォームに手を加えてより良くした物というわけですね。
天然由来成分なので安全性が高く、この植物がアレルゲンでもなければ、肌トラブルは起きにくいと考えられます。
強いて言うなら、髪の毛の表面で結合する際に一定以上の温度が必要なので、ドライヤーやコテを使わないとその効果を実感しにくいのがデメリットと言えばデメリットです。
もっとも、長時間自然乾燥させた上に生乾きのまま寝ると髪の毛はとても傷みます。
髪を傷めたくないならしっかりとタオルドライしたあとにドライヤーを使ったほうがいいです。
ドライヤーを使っていればメドゥフォーム‐δ‐ラクトンの良さは実感できるはずなので、なんとかなるデメリットだとも言えます。
髪にメドゥフォーム‐δ‐ラクトンという成分を与えた際の主にメリットについてお話ししました。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンは、トリートメントやヘアカラー剤に配合されていることが多いです。
SBCPのシリーズの中ではヘアマスクである「SBCP 生ミネラルマスク+」に配合しています。
メドゥフォーム‐δ‐ラクトンを与えた髪に温度を加えることで、
*髪が疎水性を持つ=もともと持っているはずの疎水性が失われていても復活
*キューティクルの代わりになる=キューティクルが失われていても髪の内外を保護し、手触りまで良くなる
*髪の毛の成分と結合するので効果に持続性がある
といったメリットが生じます。
ドライヤーの熱は髪の毛の水分を飛ばしてくれる一方でキューティクルを開かせる原因になってしまいますが、メドゥフォーム‐δ‐ラクトンはドライヤーの熱でもって髪の毛とくっつく!
よって、ドライヤーの熱はむしろ味方となります。
タオルドライしたとしてもドライヤーに時間がかかるセミロングからロングの人にとって、髪にメドゥフォーム‐δ‐ラクトンを与えるとドライヤーの熱がデメリットからメリットに早変わりするということです。
デメリットよりメリットを得られるに越したことはありませんから、どんな長さにもオススメできる成分ですし、「SBCP 生ミネラルマスク+」は放置時間の目安がたった1分という驚異のヘアマスクなので自信を持ってオススメできます。